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第165回 楽器が鳴るとはどういう状態か 

 「楽器を鳴らす」若しくは「楽器が鳴った状態」というのは、どんな時なのか?逆に楽器が鳴っていない音とはどんな音か?

 初めてフルートを吹いたときに感じたのは、なんとも音が出にくい楽器だなという印象です。リコーダーなら吹けば音が出るのに、フルートはいくら歌口に息をぶつけても、特に低音や高音は音にならないのが印象的でした。

 それでも教則本にある通り、ちょっと唇の両端を後方にひいて、唇の隙間を平たく薄くすると、多少音が出やすいことに気が付きます。

 次に息の強さや吹き込む角度を微妙に変えることによって、徐々に音が出る領域が広がってい行きます。つまりフルートという楽器は、極端なことを言えば、半音階で隣り合った音であっても、吹き方を変えないと音が出ない楽器だという事です。

 さらに言えば、それぞれの音階、例えば中音の出しやすいシの音であっても、ちょっと吹き方を変えると、力強い音、弱弱しい音、硬い音、鋭い音、柔らかい音、深い音と音色がどんどん変わっていきます。

 まあ実に大変な楽器ですね。それでも多数の人がこの楽器を練習したいと思うのは、やはり微妙な息の音色が美しいからだと思います。

 そんな中、曲がりなりにも、3オクターブの音が出るようになってきましたが、最近になって少し「楽器を鳴らすために、何でもかんでも強く吹けばよい」というものでもない、という事が実感として分かってきました。

 楽器が鳴っている時は、カバードキーであっても、その指先に振動が伝わると言いますが、そういった経験もたまにするようになり、その時が必ずしも思いっきり吹いている時ではない場合もあることに気が付きました。

 つまり絶妙な息のコントロールができれば、ピアニッシモでも楽器は鳴るはずだ、ということですが、まあそんな境地がすぐに訪れるとは思えません。

 ただそういった領域のところで、プロの演奏が行われているのだろうなという事が少しわかってきました。


 

第133回 室内環境で音が変わります 

  昨日「吹き初め」というのでしょうか、ともかく元旦の夕方から練習を1時間半。ところが前日に引き続き悲しくなるくらい音が悪い。

 10日間のブランクは大きいですね。昨年末が割と調子が良かっただけに、それだけ反動も大きいような気もします。

 ただこの原因について、新たに自分以外のことで気が付いたことがあります。それはだんだん寒くなってきたので、リビングの床にカーペットを敷いたこと。

 我が家は私が喘息もちなので畳は良くないと思い、全室がフローリング仕様です。ところが冬場になると、このフローリングがいかにも寒々しく、しかも実際スリッパを履いていると、床の冷たさも感じられるようになります。

 (夏場はこのフローリングの冷たさで、その上にじかに横になって昼寝をすることもあるのですが)

 というわけで、例年冬場だけは2帖敷きぐらいのカーペットを敷いているのですが、どうやらこのカーペットの吸音性が効いているようです。

 早い話が、部屋全体の残響音が極端に減ってしまったため(窓も分厚いカーテンをしめています)、音の反響がなく、自分の下手くそな音がもろに聞こえてくるという環境になったようです。

 試しに、窓のカーテンを開けて(外は雨戸です)、ガラス窓を出して少し反響を高めてやると、確かに音質が変わりました。

 ということは、今の情けない環境でもきれいな音が聞こえるような状態になれば、反響の効いた場所ならもっと音が響くということになりそうです。

 実はかねがね自宅とフルートレッスンを受けている先生の自宅で音が変わるなと感じていましたが、どうやらその反響の影響だということが分かってきました。
 
カテゴリ : 音に関する知識
2016-01-02(Sat) | コメント : 0

第131回 ロングトーン練習の重要性 

 明日から1週間ほど年末恒例の旅行に出かけるので、ちょっと更新が滞ると思います。 
 
 さて、音の高さというのは振動数(波長)で決まります。楽器の場合、基準音を最近は442Hzの「ラ」という音にすることが多いと思います。このラの音に管が最もよく振動する長さは、音の波長に関係します。

 これは高校の物理で勉強する範囲になりますが、ラの音がフルートで最もよく鳴る長さは、音速が340(m/s)なら、およそ20cm弱になります。

 そこでこの20cmぐらいの空気の柱(気柱と呼びます)を効率よく振動させるため、エッジに呼気をぶつけて渦を作り出し、振動させます。

 当然「ラ」の音と、お隣の「ソ」や「シ」の音は、この気柱の長さが異なりますので、吐く息の量、角度、速さを微妙に変えてエッジにぶつけないと、それぞれの音に見合った振動数にならないという結論になります。

 つまり「ラ」の音の口の形、息のスピード、角度で「ソ」や「シ」の音を出そうとしても、音は出にくくなるということで、これは手元にある実際の楽器でやってみればすぐわかります。

 「ラ」の口の形を意識しつつ、指だけ変えても音は鳴らないということです。しかしここから得られる結論は大変厳しいもので、半音階を構成するすべての音に対して、それぞれ適切な口の形、息のスピード、角度が存在するという結論になってしまいます。

 さらに言えば、ロングトーンで楽器を鳴らす練習というのは、まさにこのそれぞれの音に見合った最も適切な息の吹きかけ方を習得する練習であるともいえそうです。

 とはいうものの実際問題早いパッセージの楽譜では、個々の音を意識している暇はありません。私の場合、せいぜいが高音だから息のスピードを速くしないと、という程度の意識しかないです。

 ただこういったことを理屈っぽく考えていると、ロングトーン練習の重要性が改めて分かるような気もします。


 
カテゴリ : 音に関する知識
2015-12-19(Sat) | コメント : 0

第123回 自分が聞いている音は、客観的な音とは違う音 

  ICレコーダーで自分の音を録音してから、自分の耳で聞こえている音と、客観的に第三者が聞く音はかなり違うんだなということがよく分かりました。

 だいたい自分の声も、いつも聞こえている声は第三者が聞く声とは全く違っています。これも録音してみればすぐわかります。カラオケなんかでもそうですね。自分はこんな声で歌っているのかとがっくりします。

 そもそもなぜ自分の声が違って聞こえるのかと言えば、声帯や口腔内で作られた声は、口の外に出るだけでなく、体の筋肉や骨といった組織を伝わり、耳の鼓膜に達するので、結局耳は外部からの音と、体の内部からの音を合成して聞いていることになるようです。

 ということは、フルートも歌口や管の末端から発せられた音が外部に出るとともに、フルートという管自体から唇や指を伝わって振動が鼓膜に伝わっているとも考えられます。

 しかも演奏中は自分の音に酔いしれいている部分もありますから、客観的に音を聞きながら演奏をするというのも難しいです。

 名指揮者は、オーケストラの響きが客席でどう聞こえるかということを想定して指揮をするという話を聞いたことがありますが、フルート奏者のプロも、やはりステージ上の音ではなく客席で聞こえる音を感知する能力が必要なのかもしれません。

 しかしまあ凡人には、そんなことは神の領域に等しいとしか思えません。せいぜいがレコーダーに録音して客観的にチェックするぐらいです。

 とはいうものの、これもマメに実行して悪いところを修正すれば、それなりに技術も向上すると思われます。ちなみにヤマハのICレコーダーですが、録音精度は良いと思います。

 しかしそれをレコーダーの内部スピーカーで聞くと、音質が変形されてしまいどうしようもないです。聞くときはイヤホーンや、しっかりしたアンプにつなぐと、普通の演奏なら見違えるほど音が良くなります。


 
カテゴリ : 音に関する知識
2015-12-11(Fri) | コメント : 0

第68回 自分が感じる自分の音と他人が聞く自分の音は異なります。 

 「自分の音はフルートの音として聞こえているんだ」という自覚は大きなインパクトがあります。だいたい自分が吹く音と、CDや演奏会で聞くフルートの音は大きな隔たりがあります。

 これは実は骨伝道の影響もあるんだろうなとは思っています。今はカラオケがありますから、たいていの人が実感できると思いますが、自分が自分の声だと思っている音と、カラオケで録音した音にはかなり隔たりがあります。

 実は他人様が聞いている声というのは録音している音が正しいのであって、自分で聞こえている声は自分だけのものです。

 どうしてこんなことが起きるかといえば、声帯や口腔で声を作るわけですが、その声(空気の振動)は我々の筋肉や骨を通じて鼓膜に伝わるからです。

 これを骨伝道と呼ぶようですが(中途半端な知識です。間違っているかもしれません)、要するに我々が自分の声として認識しているのは、いったん外に発せられて、それが耳に入り鼓膜を振動させる音と、筋肉や骨を伝わって鼓膜を振動させる音の合成音だと言うことです。

 骨伝道の声を聞いてみたければ、耳を両手で抑えて外部の音が聞こえないことを確認してから声を出してみれば、自分の声の骨伝道の音が聞こえます。

 それと同じことが楽器の演奏にも言えるのかなと思っています。楽器の場合は発音体が体の外にあることが多いので、声ほど変化は無いと思いますが、それでも管楽器の場合は唇を通して多少なりとも音が伝わっているのではと思えます。

 その点打楽器や鍵盤楽器は発音体が外部にあり、振動は手から伝わるだけですから、割りと自分が出している音と聴衆が聞いている音の質が同じように聞こえるのではないかと思います。

 というわけで、自分の音が良いのか悪いのかは、録音するか他人に聞いてもらうしかないという結論になります。

 幸か不幸か私はまだ自分の演奏の音を録音したことがありません。簡単な曲でもミスタッチや音符の吹き間違いがあるので、とても聞けたもんじゃないだろうと思っているからですが、そんな音をフルート教室で先生に聞いてもらおうとしているわけですから、ある意味ずいぶん身勝手な話です。

 ともあれ、自分の音が多少なりともフルートらしい音になっているという自覚はうれしいものです。今日も夕方から練習をはじめ、夢中になって吹いていたら夕食の準備を忘れていました。

 しょうがないので、今日は近所にある日帰り温泉に行き、家庭菜園とフルート演奏でこわばった筋肉をほぐし、風呂上りに併設レストランでビールを飲みながら食事をしてきました。
 
カテゴリ : 音に関する知識
2015-09-22(Tue) | コメント : 0
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プロフィール

hokuflute

Author:hokuflute
 大学時代はクラシックギターを弾き、就職後フルートの音に惚れ込み、一時期は真面目に練習。社会人バンドの末席で吹いていたこともあります。

 その後仕事が忙しくなり、いつの間にかフルートと縁が切れていましたが、退職を機に、「再挑戦してみようか」という気になって練習再開。

 ところが2016年に突然クモ膜下出血という病気を発症し、緊急手術、何とか命はとりとめましたが、いくつかの後遺症も残りました。

 しかし悩んでいてもしょうがない。指先のリハビリを兼ねて、再び練習開始です。

 年齢的にも、息も絶え絶えという情けないフルート吹きですが、やはり空気の流れる音は素晴らしい。どこまで練習が続くか分かりませんが、ともかくこのブログに結果を書くことで、練習に活を入れようと思っています。

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